耐えがたい

ふたりは南を旅していた。ラブホテルはふつうのホテルに泊まるより安いよと誰かが言っていた。今日はもうじゅうぶん移動したと思う頃になると、高速道路の脇に立つラブホテルの看板がやけに目に入った。その旅で最初となるホテルにチェックインしたふたりは、違和感を覚えた。 快楽のためだけの部屋に、ただ眠るだけのために入ったことが、妙に居心地が悪かった。
ふいに彼女は彼を見つめて思った。
ちがう、この関係は快楽とは切り離されていたはず。すべてが合理的で経済的。安いからって理由だけで、ラブホテルに泊まることにしたみたいに。