生皮を剥がれた者

彼は、なんだか亀に似てる。賢いけれど、のろまな亀。
でもどうして私、嫌いにならないんだろう?
彼女は自分に問いかける。
彼の肌は紙みたいにかさかさ、おまけにアトピーで赤くなっている。
どうしていやじゃないんだろう。触るのも好きだし。
彼の顔を近くで見ると、目の周りの皮膚が炎症を起こしている。でもそれが彼女にはどこか「繊細なひと」という印象を与える。彼女はやさしく彼の顔に触れ、息を吹きかける。
なぜって? そうすると彼が鳥肌を立て、頭の後ろで両手を組んだまま、肩をぶるっとうれしげに震わせるのが好きだから。